リハビリ職から事務長への異動体験

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近年、リハビリ職員が法人内事務長へ異動になる方、増えてます。長年働いていると、経営手腕が評価され、事務部、事務長へ異動を打診されるようです。リハビリ職が事務長職へ異動すると、それは昇格になります。しかし、事務長の業務は想像以上に大変のようです。

今回、40代で事務長職へ異動した理学療法士の方にお話をお伺いしました。

リハビリ職から事務長への異動体験

事務長への異動理由

私は今の会社(医療法人)で27年理学療法士として働いていました。

私の勤める医療法人は県内外合わせて6病院を有し、急性期から生活期まで有する割と大きな民間の法人です。

私が入職した頃はセラピストも少なく、5人で250床を担当していました。

それから20年でスタッフ数、病床数も増え、今では1つの病院のリハビリテーション科だけで(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士合わせて)100名以上のスタッフが働いています。

法人規模で考えると、350名位いると思います。

私の法人内での最終役職は、放射線科や検査課などで構成される技術部の部長、現場での呼ばれ方は技師長でした。

それ以前はリハビリテーション科課長をしていました。

技師長を務めて5年後に、事務長が定年退職されるという事で、私に異動の話がきました。

事務長は事務部(経理、総務など)から誰かが昇格すると思っていたので、まさに青天の霹靂でした。

なんといっても、私は事務の経験も仕事内容もあまりよく分かりません。

しかし、断れる雰囲気でもなかったですし、技師長の席も後輩に譲らないといけないと思い、承諾することにしました。

事務長の仕事

前事務長も半年くらい再雇用で残ってくれたので、申し送りなどを直接受けました。

事務長に就任して最初の仕事は関連病院や提携病院などへのご挨拶です。

直接行ける所には足を運び、遠方には手紙を出しました。

事務の仕事を覚えるのはとても大変でした。

50歳近くで新しい仕事を一から覚えるのはとても大変です。これまでの経験は全く役に立ちません。

医療法などの法律、レセプトの仕組み、就労法を一から勉強しました。

事務の現場の仕事知るため、事務部の方達とコミュニケーションをとるため、一日受付に立った事もあります。

事務長の仕事は多岐に渡ります。

一番時間を割かれるのが、会議です。ほぼすべての会議に出席しています。

経営会議などトップ会議は勿論ですが、委員会など現場の会議にも足を運びます。

そうしないと、現場の状況が把握できません。

大変ですが、これが大事だと考えています。事務長が一番期待される仕事は経営の助言です。

毎月の収支を院長、理事長へ提示し、来月、来年、5年後の展望を話し合います。

収支だけ優先していると、現場のモチベーションは下がります。

現場の意見を吸い上げながら、院長、理事長へ進言することも、事務長の仕事です。

現場で働いていたスタッフが事務長へ異動すると、現場の気持ちが汲めるようになると思います。

銀行から異動してきた方が事務長になると、現場との軋轢が生まれると聞きます。

その他の仕事として、裁判、医療費未払い金の集金、就職面接などもあります。

現場のスタッフには伝えませんが、大きい病院はいくつもの裁判を抱えています。

裁判のために、多少の知識は持っておかねばなりません。

専属弁護士との打ち合わせは事務長の仕事です。

直接患者さんもしくは家族から私宛にクレームが入る事もあります。

冷静に対処し、なるべく穏便に終わらせるため、クレーム対応のスキルも求められます。

未払い医療費の集金はとても大変です。

専門の業者に委託していますが、それでも困難な場合、稀ですが事務長が直接説得します。

私は2度集金に行きました。

9月頃になると、人事の話が出てきます。

医師、看護師、介護士は慢性的な人手不足です。

大学や養成校へ足を運び、就職をお願いしに足を運びます。

就職試験が始まると、就職面接の面接官を務めます。

勿論、全ての部署の就職面接官です。

基本的に看護師の面接なら看護部長と理事長、院長の意見が優先されます。

事務部と、リハビリテーション科の就職面接では、私も意見を上げるようにしています。

新卒者採用では雇用面の提示は一定なので苦労はしませんが、中途採用では雇用面の調整が必要になります。

ある程度の給与は決まっているので、それを提示しますが、前職場より下がると就職する事を躊躇されてしまうので、源泉徴収票を基に帳尻合わせを行います。

病院経営のコストで一番かかるのは人件費です。

人件費を抑えつつ、離職率を下げ、安定した経営基盤を作ることは、事務長の仕事です。

事務長の仕事へ就きたい人へ

事務長の仕事は語りつくせない程あります。

しかしどれだけ仕事をこなしても、事務長のは報われません。

理事長、院長と現場スタッフの緩衝材的役割が事務長です。

患者さんから感謝の言葉を頂くこともありません。

私の周りの事務長は、口をそろえて患者を診ている方が楽しいと言います。

それを知った上で、病院経営に携わりたい方には向いていると思います。

リハビリ科のスタッフが事務長になるためには、リハビリ科の役職を昇り、他部門からの信頼を得る必要があります。

以上。




事務長まとめ

    • 長く同じ職場で働いていると、その手腕を買われて事務長へ異動することがある
    • 事務長の仕事は多岐に渡り、感謝されることも少ない職業である
    • 経営に携わりたい方は、是非目指してほしい

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