済生会
済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。天皇陛下からいただいたという意味の「恩賜財団済生会」の創立となりました。
第2次大戦後、恩賜財団は解散し、社会福祉法人として再スタートを切りました。ただ、原点を忘れないように、恩賜財団という名称は残しています。
また、総裁は代々天皇家が継いでおり、現在は秋篠宮皇嗣殿下が就任しています。
済生会は公的医療機関として指定されており、東京に本部を置き、全国40都道府県で病院、介護老人保健施設、介護老人福祉施設など372施設(平成25年4月1日現在)で事業を展開しています。
済生会の活動目標は、名前の済生会にあります。
済:生活困窮者を済(すく)う
生:最新医療で地域の生(いのち)を守る
会:医療と福祉、会を挙げて切れ目のないサービスを提供
済生会病院
済生会病院は独立採算制となっています。
社会福祉法人として税制優遇は受けていますが、国からの補助は基本的にないです。
常に黒字の病院もあれば、常に赤字の施設もあります。そのため、黒字の病院から赤字の施設へ売り上げを補填することもあります。
研修医の指導や医療スタッフの育成にも力を入れており、最新の医療を提供しています。
済生会病院といっても、病院の特色は病院毎に多種多様です。
超急性期病棟のみの超急性期病院もあれば、急性期を有さず、回復期病棟や地域包括ケア病棟のみの病院もあります。
済生会病院の福利厚生
済生会は健康保険組合を持っていません。
そのため、済生会職員は協会けんぽに加入しており、保険証は青色です。
全国で約6万人以上の職員を抱える済生会グループが健康保険組合でないことに驚きました。ある時期に健康保険組合を作る計画はあったようですが、コスト面の問題で頓挫したようです。
また、済生会ではベネフィットステーションなどのの外部福利厚生業者へ委託しており、それらの事業所を通して様々な補助を受ける事が可能です。例えば宿泊補助や旅割、レジャー施設利用補助などです。
手当てとしては、交通費手当、住宅手当、子ども手当です。
珍しいことに、公務員では廃止された持ち家手当を支給している支部もあるようですね。
済生会病院の基本給・賞与
給料体系は同じ済生会でも県の支部ごとに異なります。
そのため、県単位で給料や賞与の倍率も異なります。基本給は公務員や日本赤十字病院のような等級制ではありません。
独自の給料体系表を使用しています。
済生会の魅力は賞与の倍率が大きいことです。
先ほども述べたように、県単位で倍率は異なりますが、私の調べた限り、高い支部の病院では年7.3倍という実績を誇っています。
公的病院でも4-4.5倍ですから、とても高い事が分かります。
済生会病院の人事考課・昇給
済生会では人事考課を用いて職員の労働状況を把握しています。
人事考課の最終評価からA-Dへ振り分けられ、昇給と賞与に反映されます。Cは維持、Dは減給です。Dは出勤日数が足りない場合などが該当しますので、普通に働いていればDにはなりません。
済生会は年1度の昇給がありますが、額はあまり多くありません。
賞与の倍率が高いので、職員の大幅な昇給は行えないのでしょうね。
平均すると2000-3000円位と言われています。
また、職種により昇給額も異なります。特に看護師は昇給が少ないと業界では有名です。(しかし、賞与の倍率が高いので、年収でみると済生会はやはり高めです。)
済生会の退職金制度
済生会は退職金が羨ましすぎる程、高いんです。
その理由は、現職の退職金積立金にあります。
基本給により退職積立金の金額は違いますが、月1万2千円―1万8千円が給料天引きされます。
ある支部の退職金(例)
10年勤続退職金 4,046,000円
20年勤続退職金 13,882,000円
30年勤続退職金 33,198,000円
35年勤続退職金 36,064,000円
※金額はあくまでも目安であり、在職3年3か月以上が対象です
他の医療グループを見渡しても、この半分も貰えないのではないでしょうか。
30年働けば、老後にまた家が建てれるくらいの金額です。
最近では退職金を受け取る最低年数まで働いて退職するスタッフが多いため、退職金の貯蓄額が減っているという噂もあります。
そのため、済生会グループ全体で、離職者を減らす活動を強化しています。
また、10年勤続した場合には、表彰があります。文章だけの勤続表彰を行う所はありますが、済生会グループでは全国の職員が一同に集まり、表彰式が行われています。
職員のモチベーションが高まる取り組みですね。
済生会病院まとめ
済生会について述べてきましたが、最大の魅力は賞与倍率の高さと破格の退職金です。
その分、昇給は抑えられています。
また、破格の退職金は、月に給料天引きされる職員の給料が元となっており、手取りは多いとは言えません。
考え方を変えれば、老後の個人年金保険などにかけていると思えば良いですね。
*退職金や賞与倍率は同じ済生会でも支部毎(都道府県毎)に異なるようです。済生会に入職する際は、必ず確認するようにしてください!
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